抄録
火山災害対策は,地震などの対策に比べて対策の遅れが指摘されている.報告では,頻繁に噴火している九州地方の活火山に隣接する市町村を対象に,火山噴火の経験が地域防災計画における火山災害対策に与える影響を分析し,今後の地域防災計画における火山災害対策の向上に資する情報提供を目的に行った.
分析の結果,火山噴火の経験が地域防災計画における火山災害対策の位置づけ,地域防災計画における火山災害対策の記載項目数と内容に影響を与えていた.火山の噴火を10年以上経験したもしくは死者を出した火山噴火を経験した市町村は,火山災害対策を独立編として設けることや記載項目が全体的に多いことを示唆した.