抄録
ヘリコプター場外離着陸場の配置計画を考えるにあたり,ひとつの場外離着陸場が受け持つ勢力圏人口に極端な偏りが生じないように考慮する必要がある.本研究では,道路ネットワーク按分を行う際に農用地および工業専用地域といった基本的に居住人口のない地域を除外した計算を行い,その影響について検討することを目的とした.その結果,従来からのボロノイ分割に基づく勢力圏人口よりも道路ネットワーク按分によるもののほうが勢力圏人口の少ない場外離着陸場が増えるとともにばらつきが大きくなる傾向があることなどを指摘する一方で,勢力圏人口が集中する場外離着陸場はいずれの計算手法でも大きくは変わらないことを述べた.また,これらの知見は場外離着陸場のみならず広く割り当て人口を考慮すべき防災関連施設の配置計画に適用できる可能性があることを述べた.