土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
和文論文
機械分野の安全学から見た建設業における安全衛生の課題と今後の方針に関する提案
吉川 直孝大幢 勝利豊澤 康男平岡 伸隆濱島 京子清水 尚憲
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 1 号 p. 1-11

詳細
抄録
 本研究では,機械分野の「安全学」を建設業にも適用するため,リスク,安全等の定義を概説する.機械分野では,リスクアセスメントのうち,リスク低減措置として「本質的安全設計」を最優先で考える.一方,建設業では,自然を対象としていること,プロジェクト毎に条件が異なること,充分な資金と工期が得られない場合があること,発注,設計,施工の担当が組織を異にしていること等もあり,本質的安全設計が採用され難いという現状がある.そこで,実際の事故事例から建設業においても本質的安全設計が重要であることを示す.さらに,建設業の安全の成績が良い英国の取り組みを調査し,日本の建設業においても発注者,設計者,施工者が一体となって,施工中の安全を含めた本質的安全設計が優先的に実施されるような社会的なシステムが必要である.
著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
次の記事
feedback
Top