土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
75 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
和文論文
  • 吉川 直孝, 大幢 勝利, 豊澤 康男, 平岡 伸隆, 濱島 京子, 清水 尚憲
    2019 年 75 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,機械分野の「安全学」を建設業にも適用するため,リスク,安全等の定義を概説する.機械分野では,リスクアセスメントのうち,リスク低減措置として「本質的安全設計」を最優先で考える.一方,建設業では,自然を対象としていること,プロジェクト毎に条件が異なること,充分な資金と工期が得られない場合があること,発注,設計,施工の担当が組織を異にしていること等もあり,本質的安全設計が採用され難いという現状がある.そこで,実際の事故事例から建設業においても本質的安全設計が重要であることを示す.さらに,建設業の安全の成績が良い英国の取り組みを調査し,日本の建設業においても発注者,設計者,施工者が一体となって,施工中の安全を含めた本質的安全設計が優先的に実施されるような社会的なシステムが必要である.
  • 櫻谷 慶治, 水谷 大二郎, 小濱 健吾, 貝戸 清之, 音地 拓
    2019 年 75 巻 1 号 p. 12-30
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー

     高速道路において,降雨に伴う斜面災害に対する道路利用者の安全を確保するためには,斜面災害の予測とその予測結果に基づく適切な通行規制の実施が重要となる.本研究では,1)通行規制の実施前に斜面災害が発生するリスク,2)通行規制の実施後に斜面災害が発生しないリスク,の双方を考慮した通行規制基準値の設定方法を提案する.具体的には,過去の斜面災害履歴と素因情報および誘因情報を用いて,斜面災害と降雨の発生確率を統計的にモデル化する.さらに,同モデルを用いて上記2種類のリスクを定量化し,2種類のリスクの総和を最小にするような最適通行規制基準値設定モデルを提案する.最後に,実在する高速道路区間における斜面災害履歴,降雨履歴を用いた適用事例を通して,本研究で提案する方法論の有用性を検証する.

  • 本田 和也, 橘 伸也, 飯塚 敦
    2019 年 75 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル フリー

     災害時の初期対応において,意思決定者は一刻も早く災害対応の決断を行う必要がある.この初期対応の迅速性を高める手段として,逐次得られる災害情報から被災者数を予測することで意思決定に利用するという考え方がある.

     本研究では死亡者数の経時変化を表す関数について検討を行い,発災後初期に被災規模を予測できる被害予測モデルの精度向上を考える.発災後初期の情報更新が多い事例については,死亡者数再現関数として双曲線関数を採用することで,ワイブル分布の場合よりも早い時点で信頼できる被害予測を行うことができることがわかった.また,出来るだけ初期にその災害の被災規模を予測できる被害予測モデルの運用方法を検討した.情報更新速度を向上させることで,本モデルを用いて災害初期段階で被害予測を行うことができると考える.

  • 藤原 優, 横田 聖哉
    2019 年 75 巻 1 号 p. 40-53
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル フリー

     平成13年4月に施行された土砂災害防止法に基づき,土砂災害による被害が想定される箇所は,土砂災害警戒区域を指定し降雨時には警戒避難を促すソフト対策が推進されている.土砂災害の恐れのある箇所に近接する道路では,土砂災害警戒区域と道路区域が重複する場合がある.このような重複区域では,土砂災害警戒避難基準と道路の通行規制基準の両方の適用を受けるため,災害時の被害規模や両基準の特徴を踏まえた上で,行政と道路管理者が連携して避難体制を構築することが重要と考えられる.本研究は,NEXCO3会社が管理する6県の高速道路を対象として重複区域の指定状況や土砂災害の影響を確認するとともに,降雨パターンなどの違いが両基準の超過時刻に与える影響を比較・分析することで,道路防災において留意すべき点を示した.

  • 藤原 優, 横田 聖哉
    2019 年 75 巻 1 号 p. 54-68
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル フリー

     豪雨や地震などを誘因とする道路法面の災害発生時,応急復旧により早期に通行機能を確保したうえで,本復旧へ移行する対応の手順がある.道路法面の災害形態は,現場毎で多種多様であるものの,応急復旧では仮設防護工や押え盛土工などのシンプルな対策工の採用が多い.しかし,供用中の道路法面災害の応急復旧は短期間での対応を求められるため,現場で経験的に行われることが多く,実務的なノウハウが体系化されるまでに至っていない.本論では,NEXCO3会社が管理する高速道路において,約30年間で発生した道路法面の災害事例の蓄積データを基に,応急復旧から本復旧までの流れを災害パターン毎で分類し,道路法面災害の応急復旧対応の実務に活用するための留意点を示した.

feedback
Top