2019 年 75 巻 2 号 p. I_193-I_200
まちに,みどりを整備する計画は,景観面,ヒートアイランド現象の抑制からも魅力的な計画である.さらに,みどりは,火災に対する延焼阻止・遅延効果があると言われている.本研究では,樹木の遮蔽力に関する文献に基づき,著者らが開発している地震火災延焼シミュレーション・システムに常緑樹・落葉樹・生垣といったみどりのデータ入力部分のインターフェイスを導入した.具体的には,樹木を構成するパラメータの類型化に基づき,樹種や樹形を考慮したデータ入力作成システムを開発した.最後に,開発したシステムを用いて,既存のみどりの効果,生垣の配置,セットバック,空き家の除去と植樹,オープンスペース周辺への植樹の評価を行った.それらの結果,既存のみどりが大きな延焼阻止効果を発揮することが明らかになった.