土木学会論文集F6(安全問題)
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和文論文
津波避難における電動アシスト自転車活用の有効性 ―日南市におけるMASモデル分析から―
疋田 智玉田 正樹
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2020 年 76 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

 本研究の目的は,我が国喫緊の課題である南海トラフ巨大地震に伴う津波からの避難に,自転車,中でも電動アシスト自転車の有効性を検討することである.検証方法としてマルチエージェントシミュレーション(MAS)を用い宮崎県日南市の油津地区をモデルとした.MASの結果,自転車による避難は,電動アシストの有無によらず避難者自身が助かる可能性を高めること,渋滞が軽減されることによりクルマの避難完了率も向上する可能性があるという結果が得られた.また電動アシスト率が高いほど避難完了時間が短くなることが分かった.電動アシスト自転車のみならず通常の自転車も避難に有効であるという結果は,国や自治体の津波避難計画において,徒歩とクルマだけではなく自転車を想定することが有益である可能性を示唆している.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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