2020 年 76 巻 2 号 p. I_193-I_199
近年,頻発している土砂災害への対策の一つとして,国土交通省は土砂災害警戒区域等の指定を進めているが,その作業には,非常に時間や労力を要するため,継続的な実施に向けては効率化が求められる.
そこで,深層学習を用いて地形データから土砂災害警戒区域を自動的に設定するシステムを構築したが,保全対象を含まない土砂災害警戒区域も設定するという課題が残された.本研究では,建築物を示すデータでフィルタリングを行い,保全対象を含む土砂災害警戒区域のみを再設定することの可能性について検討した.その結果,保全対象を含まない土砂災害警戒区域が消去できることを確認し,土砂災害警戒区域等を指定する作業の効率化に有用であることを示せた.