抄録
サンゴ骨格を含む海洋石灰化生物殻中のカルシウム同位体比(δ44Ca)は地球史における海洋のカルシウムサイクルを考える上で重要であり、各生物の生物鉱化作用を考察する上でもCaの同位体分別がそれぞれどのように起きているかを検証することは重要である。特に造礁サンゴの骨格形成においては、主要元素であるカルシウムイオンがどのようにして石灰化部位に輸送されているか未だに明らかにされていないが、骨格中のCa同位体分別を詳細に調べることで、この問題をひも解くことが可能と考えられる。そこで私たちは古環境・古気候復元に多用されるハマサンゴ(Porites australiensis)を温度などの環境制御下で飼育し、飼育期間中に成長した骨格部分を用いてCa同位体比を測定することで造礁サンゴの石灰化メカニズムについて考察を行った。