2021 年 77 巻 2 号 p. I_22-I_32
インフラの維持管理において関係する様々な種類の脆弱性を認識し,脆弱性が高くならないような意識をもつことは重要である.脆弱性が高くなると異常時の被害規模の拡大を招くし,平常時まで回復する期間も長くなるためである.また,脆弱性の低下が早くから予見できれば変動発生時にレジリエンスにかかる労力の削減が期待できる.本研究では,レジリエンスエンジニアリングの観点から,異常時での修繕計画の運用能力および関係者のスキルを向上させることを目的に,まずは脆弱性の早期発見について検討する.具体的には,橋梁の長寿命化修繕計画を対象に,維持管理業務を遂行する上で存在する脆弱性を観察・整理し,日常業務において脆弱性の変化をチェックするためのモニタリングシートを検討する.