2021 年 77 巻 2 号 p. I_33-I_43
近年,日本各地において豪雨災害による甚大な被害が発生している.迅速な復旧・救援活動を行うためには,広範囲にわたる状況把握が必要であることから,衛星画像や航空写真を用いた災害状況把握に関する研究が行われている.迅速に救助活動や排水ポンプ車の手配を行うためには,道路部における状況把握を行う必要があることから,本研究では,災害前後の衛星画像を用いた道路部における被災箇所の抽出を行った.その結果,幅員の大きい道路における浸水や土砂等の有無などを抽出することが可能であることが,また,画像の解像度が低い場合や,水田等に近接している幅員の小さい道路では抽出が困難であることが明らかになった.これにより,災害からの復旧を行う上で重要となる道路の状況把握を行うことができ,災害からの早期復旧に繋がると考えられる.