2021 年 77 巻 2 号 p. I_91-I_98
本研究は,一般避難所の福祉スペースの強化と環境の改善を目的として,自閉症児・者の療育方法であるTEACCHプログラムを避難所空間に適用する可能性を検討した.TEACCHプログラムとは,自閉症児・者が集団生活において自立的な行動をおくるためにアメリカで開発され,物理的構造化,視覚的構造化,時間の構造化,活動の構造化という4つの構造化を基本とし,日本においても福祉や教育の現場で活用されている.本研究では,障害者支援施設や特別支援学校へのヒアリング調査,当事者およびその家族へのアンケート調査,避難所運営マニュアルにおける障がい者への配慮状況について調査し,一般避難所に4つの構造化を適用する際の留意点を明らかにした.その上で,当事者およびその家族,地域,行政などが備えるべき具体的な適用例を提案した.