2013 年 69 巻 2 号 p. 89-104
シールドトンネルの施工に伴う地下水流の分断を防止するため,アルカリに反応して水を排出する性質を持つ吸水性のポリマーに着目し,施工性に優れ,早期に透水性を得ることのできる裏込め注入材の開発を行った.目標物性値を設定し,それを満足する配合を検証した.さらに,実施工を想定した実打設試験を実施し,施工性ならびに力学的特性を実験的に検証した.配合検討では透水性向上のため,膨張材および透水性を有する骨材の有効性を検証した.実験の結果,目標性能を満足する配合を決定するとともに,圧送性や充填性も問題なく,実施工に十分適用できることを確認した.