2015 年 71 巻 3 号 p. I_1-I_10
構造物や民家に近接して発破掘削を行う場合,切羽外周部あるいは中央部にスロット,すなわち自由面を形成する制御発破(以下,自由面発破と呼ぶ)が行われるケースがある.自由面発破を実施した場合,発破振動を大幅に低減できることが知られているが,その効果について定性的かつ定量的な議論はほとんどなされていない.自由面発破における動的破壊と振動の挙動が明らかになっていないことと,これらを適切に評価できる数値解析手法が確立されていないためと考えられる.
筆者らは個別要素解析にもとづいた動的破壊と振動とを評価する解析手法を提案している.本研究では,自由面発破の合理的な設計を目的として,コンクリート試験体を用いた発破実験により実現象としての破壊挙動を明らかにするとともに,数値解析手法によりその再現解析を試みることで,解析手法の妥当性について検証した.