2016 年 72 巻 3 号 p. I_108-I_122
軟弱地盤中に建設したシールドトンネルで,圧密沈下による見かけ上の荷重増加やセグメントフラットバーの塩害によるセグメントの剛性低下から,トンネルの内空が減少している事例がある.この対策の一つに,トンネルの内空に補強用の柱体を構築し,トンネルの覆工体としての剛性を高めるものがある.しかしながら,柱体の設計を行う上で,塩害に伴うセグメントフラットバーの残存量の評価,およびセグメントと柱体の複合構造物としての構造モデルの構築が課題であった.そこで本論文では,塩害が発生したシールドトンネルのセグメントのフラットバーの残存量評価手法について論ずる.フラットバーの将来残存量の設定をもとにした荷重モデルと,これにともなう構造モデルの構築方法についても論述する.