2018 年 74 巻 2 号 p. I_18-I_29
トンネル覆工コンクリートの施工段階あるいは施工後1~2年で発生するひび割れの多くは,覆工コンクリートの力学的機能に支配的な影響を及ぼすものではないが,コンクリート片の剥落や漏水等へつながる潜在的な初期欠陥となる恐れがある.そのため,これらのひび割れを防止することは,トンネルの品質確保や維持管理において非常に重要である.
トンネル覆工コンクリートの初期ひび割れを正確に予測するためには,まず始めに覆工コンクリートの温度変化を正確に予測する必要がある.覆工コンクリートは部材厚が通常のマスコンクリートに比べ薄いため,現行の規準をそのまま適用するには限界がある.そこで,本研究では覆工コンクリートの初期ひび割れ予測を行う上で重要となる温度解析に関して考察を行い,入力パラメータを提案する.