2019 年 75 巻 1 号 p. 75-87
山岳トンネルの施工による地下水環境対策として,トンネル周囲へのグラウチングにより湧水の抑制を図る場合があるが,グラウチングをトンネル掘削後に実施するポストグラウトの例は少ない.本研究では,ダムのコンソリデーショングラウト手法を用いたポストグラウトによる減水対策工法の設計・施工法を提示し,その効果について施工データをもとに考察する.さらに,対策後の150mを超える地下水位回復時におけるトンネル挙動について分析し,高水頭下における減水対策工法の適用性について論じる.