2020 年 76 巻 1 号 p. 112-126
本研究では,シールドトンネルの変形を対象に,載荷実験および数値解析による検討を行った.まず,実トンネルに近いアーチ形状の継手を有するセグメント覆工模型を作製して載荷実験を行い,ひび割れ等の変状の進展状況や変形挙動を把握するとともに,継手位置がこれらに影響することを把握した.また,無筋覆工やRC覆工の変形挙動と比較するとともに,内面補強を行うことで剛性や耐力が大きくなることを把握した.一方,継手部材が降伏することを考慮した継手のモデル化手法を提案し,骨組構造解析による大型覆工模型実験のシミュレーションにより手法の妥当性を確認した.さらに,設計で設定する限界状態とひび割れの発生状況や破壊性状との関係について整理した.