2020 年 76 巻 1 号 p. 99-111
山岳トンネルの維持管理上,天端部の浮き・剥離が重要視され,この変状はひび割れ発生後,坑内環境の変化によりひび割れ周辺において,膨張・収縮が繰り返され発生すると考えられる.また,天端部の表層品質は長期的な表面部の劣化に影響を与えると考えられる.これらの表面劣化には施工方法の良否が影響すると想定される.本研究では,NATMにおいて,天端部に存在する打重ね箇所におけるノロの残留に着目して,天端の打重ね部をモデル化し,表面透気係数試験,曲げ試験,拘束乾燥収縮試験を行い,さらに実規模で覆工コンクリートを施工した状況と比較した.この結果,天端部の打重ね箇所のノロの残留が,浮き・剥離の要因となるひび割れを誘発する可能性を高め,表層品質を低下させることを確認した.