2021 年 77 巻 2 号 p. I_44-I_57
都心湾岸部の深度40m付近には,七号地層に代表されるN値が4~8の中位の粘性土地盤が分布している地域がある.この場合,トンネル標準示方書に則って安全側にセグメントの設計を行うと,土水一体かつ全土被り圧を採用する必要があるため,セグメントの厚さが不合理に厚くなることがある.一方,中位の粘性土地盤でセグメントに作用する土水圧を計測すると,地盤の自立性が高い場合は,セグメントには主に静水圧程度の水圧が作用し,鉛直有効土圧は全土被り圧以下であったとの事例が報告されている.本研究は,中位の粘性土地盤でのシールド工事現場における土水圧の計測事例を,2次元剛塑性モデルを用いて分析し,さらに仮想仕事率の原理に基づく剛塑性有限要素法と簡易手法による鉛直有効土圧の算定方法について検討したものである.