2022 年 78 巻 1 号 p. 1-12
トンネルなどの地下構造物の掘削工事で発生する坑内湧水量は,その大きさによっては施工の安全性や工事全体の進捗に対して影響を及ぼす場合がある.坑内湧水量を予測する手法には,表計算ソフトで行う簡易的な方法や3次元浸透流解析が挙げられる.3次元浸透流解析による湧水予測に関しては,トンネル形状や掘削の進捗を反映した要素分割や境界条件の設定が必要となり,解析作業に多大な労力が必要となる.この課題を解決するためにトンネルをモデル化せずとも,この存在を考慮できる3次元浸透流解析手法「仮想ドレーンモデル」を考案した.これを用い,均質および不均質な地質構造を想定して従来のモデリング方法との比較検証を行った.また,実現場のモデル化を行い,実測の坑内湧水量を再現対象とした実証解析を実施し,いずれも良好な結果を得た.