土木学会論文集F1(トンネル工学)
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和文論文
感潮河川からの塩水移動に基づく地下構造物の劣化予測法
牛田 貴士仲山 貴司寺田 賢二郎
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2022 年 78 巻 1 号 p. 132-149

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抄録

 感潮河川付近の地下構造物の維持管理では,漏水中の塩分に起因する外的塩害,繰返し補修が課題であり,予防保全への転換によって維持管理の省力化が期待される.そのためには,漏水発生前から劣化環境を反映して劣化進行を予測する手法が重要となる.本研究では,感潮河川からの塩水移動に基づく地下構造物の劣化予測法を提案した.具体的には,まず非一様な地層構造を考慮した地盤中の塩水分布予測法を提案した.次に,漏水の季節変動に起因する酸素供給や乾湿繰返しの影響を反応拡散解析で考慮する鉄筋腐食の予測法を提案した.さらに,これらを組み合わせた感潮河川からの塩水移動に基づく地下構造物の劣化予測法を提案するとともに,モデル路線に適用し,塩水移動を考慮した劣化予測の有用性を示した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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