抄録
次世代の風力発電用翼にはCF/GFハイブリッド構造が期待されている.このハイブリッド構造は炭素繊維複合材とガラス繊維複合材からなり,重量削減と素材コスト削減のトレードオフ関係にある.この論文では,複数目標GA(MOGA)を用いてこの最適化問題をといている.拘束条件としては静的強度,疲労強度,座屈強度,翼端たわみの4種類をあつかっている.これらの計算には実構造のFEM解析が不可欠である.MOGAにおいて実機FEMを拘束条件の評価に用いると計算コストが莫大になるため,ここではKriging応答曲面で拘束条件を近似計算で評価している.Kriging応答曲面は近似計算であり,必ずしも正解ではないので,MOGAで得られたパレート最適化をFEM解析で再評価し,Kriging応答値と誤差が大きい場合にはKrigingを修正する.この修正に必要なデータの判定基準を提案し,この手法を適用してハイブリッド風車翼の複数目標最適化を実施した.その結果,この手法で低計算コストで最適化が可能となった