日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
IDR(s)法の簡便な前処理と重厚な前処理の違いについて
尾上 勇介藤野 清次中嶋 徳正
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2008 年 2008 巻 p. 20080023

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抄録
本研究では,IDR(s)法のタイプの異なる2種類の前処理について研究を行った.すなわち,導出が簡単で算法もシンプルな前処理(以下,簡便な前処理と呼ぶ)と中間ベクトルの変換も含めて導出が比較的難しい前処理(以下,重厚な前処理と呼ぶ)の2種類を研究対象とした.簡便な前処理では,収束判定で使う残差の式の中に前処理行列が含まれ,その結果収束したときの近似解の精度が十分でない危険性があることを指摘する.重厚な前処理では,前進·後退代入の演算量を理論的に関数の形で見積もる.そして,重厚な前処理において,右前処理の演算量が,両側,左前処理の演算量に比べて少ないことを明らかにする.
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© 2008 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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