日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
レベルセット仮想粒子による界面処理を用いた固定メッシュに基づく流体構造連成解析手法の開発
橋本 学小野 謙二野口 裕久
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 2008 巻 p. 20080028

詳細
抄録
薄い弾性構造が高速流によって変形するエアバッグ展開のような大変形FSI (Fluid-Structure Interaction) 問題を解くことは,重要な研究課題の一つである.本研究では,大変形FSI問題を解析するために,固定メッシュに基づく流体構造連成解析手法に着目し,大変形する界面を零等値面として固定メッシュ上で表現することができるレベルセット関数を利用する.レベルセット関数を利用した固定メッシュに基づくpartitioned solution method (iterative staggered scheme) を構築し,既存する高度な流体ソルバーと構造ソルバーを組み合わせる.流体にはCIP有限要素法を用い,構造には有限変位増分および有限回転増分を考慮した構造要素を用いる.本研究では,界面の変形に応じて,レベルセット関数を更新し,界面での運動学的条件を扱うことが重要となる.そこで,レベルセット仮想粒子による界面処理法を提案する.この仮想粒子は,界面の法線方向に配置される.提案した連成解析手法は大変形FSI問題に対して十分な精度と安定性を有することを検証する.
著者関連情報
© 2008 The Japan Society For Computational Engineering and Science
前の記事 次の記事
feedback
Top