日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
多孔質体の微視的寸法を考慮した均質化法に基づく熱·固体変形のマルチスケール·マルチフィジックス解析
車谷 麻緒寺田 賢二郎奥村 弘
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2008 年 2008 巻 p. 20080029

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抄録

多孔質体では,孔の体積率が同じであっても,孔の寸法·数量が異なれば単位体積当たりの表面積の割合が異なるので,例えば,熱の拡散とその変形問題では,多孔性の大小に伴って応答が異なるといった,一種の「寸法効果」が発現することが知られている.そこで本研究では,多孔質体ミクロスケールでの寸法と熱伝達を考慮した,均質化法に基づく熱·固体変形のマルチスケール·マルチフィジックス解析手法を開発し,単一スケールの直接解析との比較を通じて,多孔性の異なる多孔質体に対する解析精度や計算効率を検証する.まず,対象とする問題設定を述べた後,多孔質体ミクロスケールでの寸法と熱伝達を考慮した,均質化法に基づく熱·固体変形のマルチスケール·マルチフィジックス問題の定式化を示す.そして,微視的寸法(多孔性)の異なる多孔質体の非定常熱拡散·固体変形問題を対象に,単一スケールの直接解析との比較を通じて,均質化法に基づく本解析手法の解析精度や計算効率を検証し,妥当性·有効性について考察する.

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© 2008 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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