日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
エリート初期集団GAを用いる多目的トポロジー最適化の高効率化
申 鉉眞平野 義鎭轟 章
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2013 年 2013 巻 p. 20130006

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抄録
トポロジー最適化は,構造形状の最適なレイアウトを探索する主要な設計手法のひとつである.多目的トポロジー最適化問題においては,その適用の容易さから,目的関数を重み付き線形和手法(Weighted sum method)によって単一目的化したSIMP(Solid Isotropic Material with Penalization)法が広く用いられる.SIMP法は目的関数の感度を用いる手法であるため,計算効率が高いが,多峰性が強い設計空間の場合,設計パラメータや解析メッシュの設定方法等により異なるトポロジー最適解が得られ,一義的な解が得られない問題点がある.このため,グローバルかつロバストな探索が可能な遺伝的アルゴリズム(Genetic algorithm)の適用が注目されるが,GAは高計算コストになる問題がある.そこで本研究では,GAを用いた多目的トポロジー最適化計算を高効率化するため,重み付き線形和手法を用いたSIMP法から得られた局所最適解(エリート)と類似する個体を複数生成し,それらをGAの初期集団として用いる手法を提案する.SIMP法から得られた代表的な最適解のトポロジーと類似するエリートトポロジー解を初期集団としてGAをスタートさせることで,GAの計算効率の向上に加え,グローバルなパレート解群が得られる可能性が期待される.本研究では,提案手法の有効性について検証するために,GAの初期集団をランダムに発生する従来手法とエリート初期集団を用いる提案手法の収束性および安定性を比較検討した.
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© 2013 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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