抄録
領域分割法は有限要素解析の有効な並列化方法として知られており, 応力, 破壊, 熱, 粘性流れ, 電磁場など様々な現象への応用研究が行われている. 本研究で用いる領域分割法とは, Schur補元方程式を前処理付き反復法で解くものである. 前処理として, 実装の容易さから簡易的な対角スケーリング前処理が広く用いられているが, これまで簡易さを含めて十分な議論は行われていない. そこで本研究では, 領域分割法の対角スケーリング前処理について考察し, 簡易的な対角スケーリングの新解釈を提案する.