抄録
PCクラスタやスーパーコンピュータ上における数値シミュレーションの総合性能を改善するためには, 並列効率だけではなく計算ノード単体性能も以前より重要な指標となってきている. 特に, 近年のマルチコアアーキテクチャを有効活用することが重要である. 本論文は, 領域分割法に基づく有限要素解析コードの最適実装について述べ, さらに性能予測モデルを提案するものである. 特に, 部分領域ごとのローカルシュアコンプリメント行列の陽的構築を行うLSCアプローチについて示す. また, 開発した性能予測モデルと京コンピュータやPCクラスタにおける数値実験結果を用いて, 提案アプローチが既存アプローチに比べて省メモリ性能だけでなく計算時間についても優位であることを示す.