日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
Level Set 法と PLIC-VOF 法のカップリングによる格子ボルツマン法の 3 次元自由表面流れ解析モデルの構築
佐藤 兼太越村 俊一
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2018 年 2018 巻 2 号 p. 20182003

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抄録
市街地スケールの大規模3次元津波シミュレーションは, 計算負荷・コストの点で依然として課題があり, 京コンピュータなどのHPCIを活用した事例など限られた環境下でしか実現されていない.
陽的な解析手法であることと, 並列化効率が高いことは, 大規模3次元解析においては重要な要件であり, この点で格子ボルツマン法が注目されている.
しかし, 格子ボルツマン法による自由表面流れ解析手法は, 津波数値解析を実行する上で要求される精度を十分に満足できていないことが問題となっている.
上記の問題に対して, 本研究では格子ボルツマン法による自由表面流れ解析モデルの高度化に向け, PLIC-VOF法に基づく自由表面流れモデルを構築した.
さらに, 界面における法線ベクトルの高精度な算出のため, 流体充填率から生成される擬似的なLevel Set関数を導入し, 簡便なカップリングを行った.
そして, ゲート急開流れのベンチマークテストを通じて, 本提案手法が従来の格子ボルツマン法の自由表面流れ解析モデルの問題を解決し, 高精度な解析が可能であることを示した.
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© 2018 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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