日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
逆圧電‐圧電‐電気回路連成現象の分離反復型解法
石原 大輔高田 黎Prakasha Chigahalli Ramegowda
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2020 年 2020 巻 p. 20200015

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抄録

アクチュエータやセンサに用いられる圧電バイモルフは,通常,電気回路に接続される.この場合,圧電バイモルフの機械的挙動は回路からの電荷の影響を受け,また圧電バイモルフは回路内でコンデンサのように振る舞う.ゆえに,圧電バイモルフを用いる電気機械システムの設計プロセスにおいて,逆圧電‐圧電連成に加えて,圧電バイモルフと回路との連成を考慮する必要がある.本研究では,この逆圧電‐圧電‐回路連成問題に対する新しい有限要素解析手法を提案する.薄い複合材圧電バイモルフを考慮するために,逆圧電解析にはシェル要素,圧電解析にはソリッド要素を用いる.従って,ソリッドとシェルの間における変数変換方法を用いる.回路解析は1自由度で記述する.また,圧電‐回路連成において,電位と電荷の連続性に基づく連成条件式を提案する.連成アルゴリズムは,ブロックガウスザイデル法に基づいている.逆圧電解析において,曲げ剛性および質量に対する材料の複合則を用い,圧電解析において,導体の疑似圧電体評価法を用いる.最後に,本解法によって,RC回路およびシャントダンピングにおける連成現象を正確に解析できることを示す.

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© 2020 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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