2020 年 2020 巻 p. 20200016
本論文の目的は,3次元問題における2つの不整合メッシュを結合する多点拘束条件を計算する手法を確立することである.多点拘束条件の定式化は,変位の整合性と表面力の分布を考慮したEl-Abbasi and Batheの方法を採用する.その多点拘束条件は結合面内における形状関数の積を積分した成分を持つ行列で表される.その積分範囲は1つの多項式だけが含まれるようにデローニー三角形分割によって分割される.それによって,その数値積分値は数値的に正確に算出される.
数値積分のための三角形分割の妥当性や解析精度を検証するため2つの例題を示した.第1の例題においてデローニー分割を用いた三角形分割の数値積分値と理論値が一致することを確認した.第2の例題は2つの直方体モデルを面対面の多点拘束により結合したモデルとした.多点拘束モデルの結合面の変位,拘束表面力,一次主応力を参照解と比較し,点対面の多点拘束法より高い精度を有していることを確認した.加えて,多点拘束条件の導出に少ない積分点数を用いたガウス積分を用いると,予測不能で不適切な数値解析解を与えることがあることを確認した.