2021 年 2021 巻 p. 20210005
本研究では、過渡的に変化する温度分布を制御する最適構造の創成を目的に非定常熱伝導問題のトポロジー最適化手法を提案する。非定常熱伝導問題における温度分布の履歴依存性を感度解析において考慮するため、最も汎用性が高く、解析条件によらず高い精度で感度を計算できるDiscretize then differential approachを応用し,感度の詳細な定式化を行う。さらに、物体領域の熱伝導性を担保しながら、任意の温度分布に制御できる構造を導出するため、熱コンプライアンスと目標温度との2乗誤差による重み付け総和関数による目的関数を新たに定義する。定式化した感度は、有限差分法をベンチマークとした精度検証を行うことによって理論の妥当性を示す。最後に、複数の最適化計算例を示すことで、提案手法の妥当性を示す。