2021 年 2021 巻 p. 20210014
本研究では,弾塑性材料の破壊挙動の現象論的理解に基づく新たな低減破壊エネルギーを導入したphase-field延性損傷モデルを提案する.提案モデルの自由エネルギーは弾性・塑性・損傷の3成分の和として構成され,支配方程式は連続体熱力学理論に基づくローカル・グローバルエネルギー最適化問題の停留条件として導出される.その際,塑性変形及び負の静水圧によって起こされる微小欠陥やそれらの結合を反映した低減破壊エネルギーを導入する.このおかげで,提案モデルは材料剛性および破壊エネルギーの低減を実現し,弾塑性材料の破壊挙動をシミュレート可能となる.2つの数値計算例を通して,典型的な延性損傷を再現し,提案モデルの性能を例証する.