2021 年 2021 巻 p. 20210021
筆者らは,つりあい方程式と降伏条件式の連成問題を定義し,Block Newton法に基づく数値計算手法を開発した.本研究では,その手法を平面応力弾塑性問題に応用し,つりあい方程式・降伏条件式・平面応力条件式の連成問題を定義し,それらを同時に線形化することで内部反復のない数値計算手法を提案する.提案手法は定義した連成問題から内部変数を消去することで接線係数が代数的に得られ,内部変数も代数的に更新される.さらに,降伏条件式と平面応力条件式に対する残差が変位を自由度とした非線形有限要素解析の残差項に組み込まれるため,全体反復によって連成問題の残差が同時に減少することになる.数値計算例では,新たに提案するBlock Newton法に基づくアルゴリズムの計算結果を従来の標準的な解析手法であるreturn mappingアルゴリズムと平面応力条件により2重の内部反復となるアルゴリズムの計算結果と比較し,提案手法の妥当性と有効性を示す.