2023 年 2023 巻 p. 20230007
近年,トポロジー最適化は構造問題だけでなく流体問題へも適用されるようになっている.既往研究の多くは定常流れを仮定しているが,本論文では,工学的な観点からより一般的な非定常流れのトポロジー最適化に焦点を当てる.しかし,非定常流トポロジー最適化では各最適化ステップ内において時間発展方程式を解く必要があり,定常流体と比較して大きな計算コストが必要となる.そこで,我々は超並列計算に適したBuilding-cube法(BCM)に基づく,大規模非定常流トポロジー最適化手法を提案する.BCMは階層型直交メッシュ法の一種で,非常に優れたスケーラビリティが確認されている.支配方程式はBCMに基づくセル中心有限体積法によって離散化し,目的関数の感度は連続随伴変数法によって求める.いくつかの数値計算例を用いて,大規模計算への適用可能性を議論する.