2024 年 2024 巻 p. 20240004
コンクリートは非均質であるため,直接引張試験時に曲げモーメントやせん断ひずみが発生し,応力ひずみ曲線の推定精度が悪くなる.そこで弾塑性有限要素法で引張試験をモデル化し,試験時の観測データに解析変数を同化させることで,供試体位置ごとに個別に応力ひずみ曲線を推定する手法を開発した.非線形問題のデータ同化において感度算定時に,計算負荷が高くなる.そこで有限要素法の計算グラフを時間と空間方向に分けて各方向を独立させて交互に感度算定することで計算負荷を軽減した.更に複雑解空間でも安定して探索可能な解更新手法を開発し,観測データに適合する解析変数と応力ひずみ曲線を推定した.