日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
拡張下負荷面モデルの改良型負荷判定法: 非比例繰返し負荷への適用性検証
羅 家驊井口 拓哉福田 達也山川 優樹
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2024 年 2024 巻 p. 20240005

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抄録

拡張下負荷面モデルは繰返し負荷を受ける材料の塑性挙動を精緻に表現できる非古典塑性理論に基づく弾塑性モデルである.古典塑性理論では,降伏面の内部領域を純粋弾性域と仮定している.これに対し,拡張下負荷面モデルでは降伏面の内部に現応力に追従する下負荷面を導入することにより,降伏面の内部でも塑性ひずみの発生を表現できるモデルとなっている.このモデルでは,降伏状態からの除荷過程では下負荷面が縮小して最終的に点に縮退し,その後,逆負荷や再負荷に伴って下負荷面が拡大する.従来の負荷判定法は弾性除荷から塑性負荷の過程における上記の挙動を正確に追跡できないため,応力計算の精度が低下する問題点が指摘されていた.これに対し本研究では,新たな応力更新アルゴリズムを用いた改良負荷判定法を提案する.この提案手法について,比例及び非比例的な負荷経路を含む繰返し変形下での解析を行い,大きなひずみ増分を与えた解析でも高い精度で応力を計算できることを検証した.

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© 2024 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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