2021 年 21 巻 p. 64-74
本研究は,子どもの貧困対策として注目されている地域の子どもの居場所一つである子ども食堂において,子どものニーズ把握の機能に着目し,そのプロセスを明らかにした.参与観察によって得られたデータを,佐藤の質的な分析的コーディングに基づいて分析を行った.
ニーズを抽出した17人の子どものエピソード95件を分析した結果,20のコードと13のカテゴリーが抽出された.子ども食堂における子どものニーズ把握プロセスモデルから,ニーズ把握のプロセスは,①ぼっち・たむろ,②関心,③関心行動④,応答,⑤試し行動,⑥受容,⑦安心,⑧承認要求,⑨承認,⑩信頼,⑪共感,⑫声かけ,⑬生活現実の表出,⑭理解となった.子どもとスタッフの関係性に着目し,関係形成のモデルをから,子どもがニーズを表出するまでの,スタッフとの関係は【上下関係】,【上下関係の逆転】,【タメ関係】と変化することが明らかになった.本研究では,子ども食堂における子どものニーズ把握までの14のプロセス,子どもがニーズを表出するまでの子どもとスタッフの関係形成の示唆が得られた.