抄録
本研究は、摂食障害と家族機能に注目し文献検討を行い、最近11年間に報告された研究結果を明確にすることで、有効な家族支援に対する示唆と摂食障害と家族機能に関する研究の課題を見出すことを目的とした。1995年から2005年までの国内文献43件と国外文献31件を検討し、以下のことが明らかになった。1.摂食障害のある子どもとその家族に対する理解と有効な看護支援を模索している現状があった。2.摂食障害のある子どもの家族に対して家族機能に働きかける支援を検討する必要性が示唆された。3.摂食障害の症状が慢性化していることを考慮し、家族に長期的な支援を行うために縦断的な研究が課題である。4.生活や病気の負担を共有する家族に対し、家族機能評価を行い家族の強みを明確にすることが有効な家族支援につながることが示唆された。