抄録
1996年〜2005年まで(過去10年間)の医学中央雑誌Web版(Ver.4)を中心として文献検索を行い、小児看護における外来看護に関する国内の文献47件を分析し、小児の外来看護の今後の実践および研究の課題を検討した。その結果、外来には継続的なケアを必要とする子どもと家族への援助、一般外来を訪れる子どもと家族への援助、育児支援など様々な内容の看護があり、乳児からキャリーオーバー患者まで様々な発達段階の患者と家族のニーズがあることが明らかになっていた。今後は、継続的なケアを必要とする子どもと家族に質の高い援助を提供していくための時間や空間、マンパワーの確保などに関する検討および地域との連携についての方策を考えること、また、一般外来、乳幼児健診などでの短い関わりにおける有効的な支援方策および援助の継続性を検討し、実践していくことが課題である。また、こうした実践の課題を克服していくためには外来の看護業務全体を見渡す視点が不可欠であり、今後の研究課題として、外来の小児看護の構造や特殊性、専門性についても明らかにしていく必要があると考えられる。