日本小児看護学会誌
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先天性心疾患をもちキャリーオーバーする中学生・高校生の病気認知の構造と背景要因による差異
仁尾 かおり
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2008 年 17 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

先天性心疾患をもちキャリーオーバーする中学生・高校生の病気認知の構造および背景要因による差異を明らかにすることを目的とし、先行研究の結果より独自に作成した調査票を用いて調査を行った。因子分析の結果、病気認知は、『病気による制限・制約に対するつらい思い』『病気をもつ自分を前向きに受けとめようとする思い』『病気をもつ自分を理解してほしい思い』『病状や死に対する不安』『病気を知られたくない思い』『身体を守りたい思い』の6因子により構成されていた。背景要因では、重症度の高い人が、『病気による制限・制約に対するつらい思い』『病状や死に対する不安』が高く、『病気をもつ自分を理解してほしい思い』『身体を守りたい思い』では、重症度の高い人に加えて高校生が高得点であった。彼らの相反する認知による葛藤を理解し、肯定的な認知を高め、否定的な認知を低減する支援が必要であることが示唆され、具体的な支援を検討した。

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© 2008 一般社団法人 日本小児看護学会
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