抄録
本研究の目的は、子どもが入院する病棟に配属されている保育士が、看護師との協働に向けて看護師に期待していることを明らかにすることである。子どもが入院する病棟に配属されている保育士7名に半構成的面接を行い、データを収集した。データを質的に分析した結果、《保育士が行っていることの意味を理解すること》、《子どもへのかかわりを一緒に考えること》の2つの内容に大別され、さらにこれらを説明する内容、〈遊びにも意味がある〉、〈子どもの「普通の生活」が大切〉、〈生きた情報を共有する〉、〈かかわりの方向性をひとつにする〉、〈「個人の努力」からの脱却〉が明らかになった。子どもが入院する病棟における保育士の専門性を、保育士自身が看護師に伝えることの重要性、看護師が保育士の発言を積極的に活用する姿勢のあり方、保育士の手による業務規定作成の必要性が示唆された。