日本小児看護学会誌
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親の会に関する国内文献の検討
井上 玲子
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2008 年 17 巻 2 号 p. 59-65

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抄録
本研究の目的は、親の会に関する国内研究の動向と会の活動の現状を示すことである。過去10年の検討の結果、文献の推移は2001年26篇をピークにその後は減少傾向といえる。筆頭著者は家族が最も多く、次いで医師、看護職その他の福祉・教育・心理系の専門職であった。文献内容は活動報告が最も多く、次いで医師・保健師による介入報告であった。活動の背景は障害児の親の会が最も多く、次いで不登校・引きこもり、低出生体重児であった。文献の種類は活動啓発が多いため、解説・総論が大部分を占め、研究論文はわずかであった。親の会は時代を反映したものとも考えられ、家族のニーズによって内容や形態は異なる。しかし障害児に対する請願活動は今も継続され、さらに不登校など家族・学校・社会を取り巻く問題も新たにみられる。家族機能の向上をめざし支援をするには、親の会と医療職、その他の専門職との協働が望ましいと考える。
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© 2008 一般社団法人 日本小児看護学会
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