日本小児看護学会誌
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医療施設における看護師と保育士の連携の実態 : 健やか親子21推進事業 小児の入院環境向上のための活動[保育関連職種との連携プロジェクト]
飯村 直子江本 リナ川口 千鶴中村 伸枝日沼 千尋平林 優子
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キーワード: 看護師, 保育士, 連携
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2008 年 17 巻 2 号 p. 66-72

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抄録
多くの医療施設で保育士が配置されている一方、組織形態や業務内容が施設ごとに異なり、看護師と業務が重複するなかで保育士の専門性の発揮や看護師との連携に関する課題は多い。そこで、これらの課題を検討することを目的に、日本小児看護学会は平成18年度に保育関連職種との連携プロジェクトを立ち上げた。その活動の一つとして、医療施設における保育士と看護師との連携に関する看護師の意識を明らかにすることを目的に、日本小児看護学会第16回学術集会の参加者を対象に行った質問紙調査について報告する。調査の結果、保育士が医療施設において子どもにかかわる必要性は多くの看護師より認識されているものの、施設の経済的理由や入院する子どもの状況などから保育士の配置や働きが制限される恐れがあることが明らかにされた。また、看護師は保育士に期待しつつ協働を望んでいるものの、経営や体制、保育士の専門性が見えにくいなどの理由から協働のあり方に課題がある現状が明らかにされた。今後、相互の働きについて理解を深める機会をもつことや、申し送りへの参加や記録の共有などを通してコミュニケーションをとる場を保障していく必要があることが示唆された。
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© 2008 一般社団法人 日本小児看護学会
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