日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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入院している子どもが脅かされている事とその援助に関する文献検討
長谷川 孝音江本 リナ深谷 基裕中澤 淳子飯村 直子西村 実希子西田 志穗山内 朋子筒井 真優美松尾 美智子伊藤 孝子
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2009 年 18 巻 2 号 p. 29-35

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抄録

本研究は、1997年〜2007年7月までの国内外の看護系雑誌を検索し、入院している子どもが脅かされている事およびそれらに対して行われた援助とその結果を明らかにすることを目的として行った。59件の文献を分析した結果、入院している子どもが脅かされている事は、「検査・治療・処置」における<不安・恐怖><取り組みの阻害>、「入院生活」における<活動制限><生活の変化による苦痛><分離不安>、「疾病状況」における<痛み><ボディ・イメージの変化に対する不安・恐怖><他者との関係への脅かし><ターミナル期ゆえの心身の不調><小児がんによる苦痛>に分類された。入院している子どもが脅かされている事に対して、子どもの思いや気持ちに寄り添うようなかかわりを行った場合、脅かされている事は解消し良い反応を示すことが見出された。しかし、脅かされている事が適切に把握されなかったり、充分な対応がなされていなかったりした場合、子どもはよりストレスを募らせるような反応を示していた。今後は、子どもが脅かされている事を看護師が把握していく課程を探る調査や、脅かされている事への対応が困難となる要因を明らかにする調査などを行い、子どもが脅かされている状況を改善させる技の構築へと発展させていく必要がある。

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© 2009 一般社団法人 日本小児看護学会
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