日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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18 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山口 孝子, 堀田 法子, 下方 浩史
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 1-8
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、主成分分析によりプレパレーションの影響要因としての主成分を明らかにすること、および抽出された主成分の特徴を明らかとすることである。A県下病院の小児病棟および小児専門病院の看護師296名を対象に平成18年8〜9月に質問紙調査を行った。幼児に対するプレパレーションの意識と実態の影響要因として、11主成分を抽出(累積寄与率は62.64%)し、第1主成分『患児の基本的人権の尊重』、第2主成分『ネガティブな職場環境』、第3主成分『患児の要因』、第4主成分『実施に対する自信のなさ』、第5主成分『患児の健康意識・セルフケア能力の育成』、第6主成分『ポジティブな職場環境』と命名した。また主成分得点による6つの主成分は、対象の背景である年齢、小児看護歴、看護歴、知識、定義への賛同の有無と有意な関連が認められた。さらに主成分得点による6つの主成分は、患児の年齢においても有意な関連が認められた。
  • 小代 仁美, 楢木野 裕美
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 9-15
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    小児看護学実習において看護学生がこどもとの人間関係の形成に向けて、一歩踏み出すために影響する要因を明らかにすることを目的とし質的帰納的研究を行った。看護系の大学で看護学を学び小児看護学実習を終了した看護学生9名を対象とし半構成面接を行い、得られたデータは、KJ法の手法を取り入れて分析した。その結果【関わりたくなるこどもの姿】【関わりに自信がもてるこどもの状態】【学生を受け入れると知覚したこどもの反応】【こどもの身近な人との信頼感】【こどもを知る人から感じる援護感】【関わるタイミングの空間】の6カテゴリーが抽出された。看護学生は、好意的と感じるこどもの姿・反応や学生が関われると感じたこどもの状態、こどもの生活空間でこどもとの関わりを模索していた。また、親との信頼や医療者の助けやモデル提示はこどもとの関わり行動となっていた。
  • 永谷 智恵
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 16-21
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は保健師の子ども虐待の支援に携わった体験から、支援の困難さを明らかにしていくことを目的に帰納的、記述的研究を行った。その結果【子どもの状況を把握することの困難さ】【家族の中の母親を支え続けることの困難さ】【母親の養育行動を変えることの困難さ】の3つのカテゴリーが導き出された。保健師は家庭訪問時、毎回母親が留守にすることで子どもの状況を確認することができず、成長発達への影響や生命への不安を増大させていた。また母親の抱えている辛い思いを傾聴するが、母親の感情に引きずられ、さらに家族関係の調整の難しさに無力感を抱いていた。育児行動の未熟な母親に繰り返し指導を行うが、育児行動の変化は乏しく保健師は苛立ちを持つとともに、母親のそばで育児を見守る身近な存在がいないことで、子どもに生じる事件、事故による命の危険を感じ子どもの安全を祈る思いに至っていた。
  • 光盛 友美, 山口 求
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 22-28
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    現在の乳幼児をもつ母親世代は、少子化時代に育ち、乳幼児とのかかわり体験がないままに子育てをしなければならない現状にある。つまり、母親の育児不安やストレスは、育児をストレスフルにさせるだけでなく虐待のリスクにつながる。そこで本研究は、母親が乳幼児にスムーズに接触できるベビーマッサージに注目し、母親のベビーマッサージ体験の有無で結果を比較し、虐待の予防につながるかを検討することを目的とした。因子分析の結果、「育児不安・育児ストレス」、「夫の支援」、「家族の支援」、「愛着行動」、「情緒の安定性」、「育児体験」の6因子が抽出された。因子得点をマッサージ群と非マッサージ群とで比較した結果、第1因子の「育児不安・育児ストレス」はマッサージ群が低く、第2因子の「夫の支援」はマッサージ群が有意に高い値が得られた。ベビーマッサージの体験がある母親は、虐待のリスクが低いことを示唆した。
  • 長谷川 孝音, 江本 リナ, 深谷 基裕, 中澤 淳子, 飯村 直子, 西村 実希子, 西田 志穗, 山内 朋子, 筒井 真優美, 松尾 美 ...
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 29-35
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、1997年〜2007年7月までの国内外の看護系雑誌を検索し、入院している子どもが脅かされている事およびそれらに対して行われた援助とその結果を明らかにすることを目的として行った。59件の文献を分析した結果、入院している子どもが脅かされている事は、「検査・治療・処置」における<不安・恐怖><取り組みの阻害>、「入院生活」における<活動制限><生活の変化による苦痛><分離不安>、「疾病状況」における<痛み><ボディ・イメージの変化に対する不安・恐怖><他者との関係への脅かし><ターミナル期ゆえの心身の不調><小児がんによる苦痛>に分類された。入院している子どもが脅かされている事に対して、子どもの思いや気持ちに寄り添うようなかかわりを行った場合、脅かされている事は解消し良い反応を示すことが見出された。しかし、脅かされている事が適切に把握されなかったり、充分な対応がなされていなかったりした場合、子どもはよりストレスを募らせるような反応を示していた。今後は、子どもが脅かされている事を看護師が把握していく課程を探る調査や、脅かされている事への対応が困難となる要因を明らかにする調査などを行い、子どもが脅かされている状況を改善させる技の構築へと発展させていく必要がある。
  • 西村 実希子, 西田 志穗, 山内 朋子, 筒井 真優美, 松尾 美智子, 伊藤 孝子, 長谷川 孝音, 江本 リナ, 深谷 基裕, 中澤 ...
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 36-42
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、過去10年間の国内外の看護系雑誌に掲載された子どもと家族に対する看護が阻まれる現象や状況が記載された文献から、看護師のスキルや力を阻む状況を明らかにすることを目的に行った。看護師のスキルや力を阻む状況は、以下の4つに分類できた。【看護実践が避けられる状況】は、子どもや看護師が持つ看護実践を避けたい気持ち、【他者との認識や考えのずれが看護実践を止める状況】は、医師と看護師、家族と医療者など、子どもとかかわる人々と看護師との認識や考え方のずれ、【看護に不足するものがある状況】は、施設内外の他部門や他職種との調整や連携の不足、【看護が届かない状況】は、子どもの障がいや傾向によって言葉やサインが伝わらないこと、信仰や文化的背景による医療処置への制約が存在している状況であった。今後、看護師のスキルや力を阻む状況に関する更なる研究と、これらの状況を緩和できる環境の創造が望まれる。
  • 永田 真弓, 勝川 由美, 松田 葉子, 南雲 久美, 田中 義人
    原稿種別: 本文
    2009 年18 巻2 号 p. 43-52
    発行日: 2009/07/20
    公開日: 2017/03/27
    ジャーナル フリー
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