日本小児看護学会誌
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親の自覚を高める看護学生とのワークショップによる親支援
山口 求今村 美幸光盛 友美鍋島 和貴
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2011 年 20 巻 1 号 p. 113-119

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抄録
乳児期の虐待死が増えており、その理由は「泣きやまない」というものである。子育てに疲弊する母親は、相談する相手もなく「社会的に孤立」しやすい現状がある。そこで本研究は、「地域の親が看護学生に子育て体験を語る」ワークショップ(以下WS)を導入した。親はWSの参加で子育て体験を振り返り、子育てへの「気づき」から、親としての自覚と親自身の自尊感情の高まりがある。WSによる親の自尊感情の高まりは、親教育の支援となるのかを検討することを目的とする。WSの結果は、6つの大カテゴリーに分類された。【子育ての大変さ・困難性】【子育ての楽しさ・喜び】【誕生の喜び】【子育てサポート体制】【両親への尊敬】【子育てによる自己成長の実感】である。自分の子育てを振り返ることで、否定的な子育てを客観的に見つめ、肯定的な子育ての感情と交錯しながら、親自身が成長することを自覚することにつながっている。WSでの子育て体験は、親としての自覚を再認識し、自尊感情を高めるという"親が親となる"発達支援になることが示唆された。
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© 2011 一般社団法人 日本小児看護学会
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