抄録
本研究目的は、人形を活用した血圧測定におけるプレパレーション実施の効果を明らかにし、子どもの思い・主体性を尊重した実践の中でのプレパレーションの方法を検討することである。6〜9歳の健康な小学生14名を無作為に人形使用群と口頭説明群に分け、自作のフェイススケール、脈拍数及び実施中の子どもの様子を観察、比較検討を行った。その結果、導入時に人形を使用することで子どもの緊張の緩和や不安の軽減をより効果的に図ることができ、子どもとの関係づくりが行いやすくなり、人形を使用したデモンストレーションやジェスチャー、口頭での動作の指示を加えることにより、子ども自身が次にどういう行動をとるのかを予測しやすくなることが考えられた。また、処置後に人形を活用した遊びの場を設けることで、処置後のフォローや安心感獲得への支援も行いやすくなることが示唆された。