2011 年 20 巻 2 号 p. 41-48
本研究は、新生児が亡くなる過程における母親の反応を、母性の特徴に注目し看護者の認識を通して明らかにすることを目的とし、生後30日以内に死亡した新生児または新生児を亡くした母親を2年以内に受け持ったことがある看護者6名に半構成面接を行った。分析の結果、以下の9カテゴリーが抽出された。児の生前は【我が子との愛着を育てる】【困難な状況の中で母親役割をとることで自分を保つ】【児とかかわることでケアを自らするようになる】【児と家族になろうとする】【医療従事者に頼らざるを得なくなる】【死が迫っていることにショックを受けながらそれでもできることをする】反応を示し、児の死の直後から、【児との結びつきを振り返りつながりを求める】【児を想起することから距離をとる】【来た道も行き先も分からないまま今をなんとかすごす】反応が見られたことから、看護者は母親が児の親でいられるかかわりをする必要があることが示唆された。