日本小児看護学会誌
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慢性疾患の幼児への看護師の療養行動獲得支援に関する認識
平林 優子
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2012 年 21 巻 2 号 p. 33-40

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抄録

本研究の目的は、慢性疾患を持つ子どものケアにあたる看護師の、幼児の療養行動支援の現状と、幼児への療養行動支援への認識を明らかにし、幼児の療養行動支援に向けた看護のあり方を検討することである。質問紙調査により225名の看護師からの回答を得た。58項目の療養行動中60%以上の看護師が幼児に実施していたのは15項目で、医療的な技術に関わる項目の実施は少なかった。実施には、幼児向け教材や幼児指導マニュアルの存在が有意に関係した。幼児の指導経験のある看護師は経験のない看護師よりも療養行動の指導開始可能と考える年齢を低く認識しており15項目で有意であった。幼児の療養行動支援には、発達、個人差、親の意思、看護師の幼児の能力の判断、モデルやツールの存在などが影響しており、幼児の日常生活行動の発達に添い、親と協働する、モデルやマニュアルなどの整備により幼児への支援の経験を増やしていくことが必要である。

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© 2012 一般社団法人 日本小児看護学会
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